2014年3月11日

3月11日を地球倫理国際日にするよう訴える共同声明  


  人間社会が受容できない惨禍をもたらしかねない科学技術は事故の可能性につき如何なる数値が援用されようとも完全にゼロでなければ使用してはならないというのが、福島の教訓である。

  放射能汚染をもたらす行動はほぼ永久に人類と地球に計り知れない損害を与えるものであり、倫理と責任に欠けるものとして非難されなければならない。

  日本は悲しいかな核エネルギーの軍事利用、民事利用双方の犠牲となった。福島の後、日本は放射能汚染に苦しむのみならず、事故の悲惨な結果の収束を図るために容易には克服できない諸問題に直面している。

  核技術は不可分であり、軍事、民事に分けることが出来ないことは明確に認識されている。日本は今や民事、軍事を問わない完全な核廃絶を世界に訴える歴史的使命を有するものと信じる。これも福島の教訓である。

  このような見地から次の提案を行うものである。
1.核拡散の防止と原子力発電の促進という両立できない使命を与えられたI.A.E.A.は改革されねばならない。
2.現存する原子力発電所の安全に対する国際的管理は強化されねばならない。  

  現在人類が直面する危機は文明の危機である。支配に立脚した力の文明を、命に至上価値を置き、協力に立脚した和の文明に転換しなければならない。

  人類が直面する危機の根深い原因はあまねく世界に広がった倫理の欠如である。未来の世代に所属する天然資源を濫用し枯渇させ、永久に有害な 廃棄物と膨大 な債務を後世に残すことは倫理の根本に反するものである。自然と世界の資源は如何なる結果をもたらすかに配慮することなく利用されている。

 地球倫理の確立なくして、未来の世代に美しい地球を残せるような人類の文明を創設することは出来ない。

  このような考えからユネスコクラブ世界連盟(WFUCA)が呼びかけている国連倫理サミットの開催と地球倫理国際日の創設を強く訴えるもの である。3月 11日を地球倫理ユネスコ国際日とすることを呼びかけたWFUCAの公式声明を全面的に支持し、国際社会に賛同を求めたい。同サミットはオバマ大統領の核 兵器のない世界のヴィジョンに向けて道を開くものと確信する。

  この地球倫理国際日は、紛争を解決する手段として決して戦争に訴えないとの決意を毎年新たにすることを可能としよう。

  核エネルギーを使用しない人類と地球の長期にわたる安全のために、ライフスタイルについて短期間の犠牲を払う覚悟が必要である。自然・再生可能エネルギーは倫理と連帯に立脚し、環境と未来の世代の利益を尊重する新しい持続可能な文明の基礎となり得よう。


※この声明は、細川護煕元総理、Moritz Leuenberger元スイス連邦大統領、Ernst von Weizsaecker教授らから賛同されています。





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