小泉純一郎総理殿
令和2年8月10日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓
世論の強い要請にもかかわらず臨時国会の召集実現しない状況の下で日本の統治能力が改めて問われだしております。
日本として脱原発の方針が確定しながらいまだに「原子力タブー」が存続し、再稼働が認められている現状に市民社会は無力感に襲われております。
しかしながら新型コロナウィルスが一変しつつある世界の先行きに関して人力をもってしては実現しがたい「世直し」ともみなされる具体的実績が指摘されだし
ております。市民社会が反対するカジノ、中央リニア新幹線、東京五輪が受けつつある影響が例示されております。その他、経済至上主義、グローバリゼーショ
ン、安全保障など国際社会の在り方そのものにも新たな論議を招きつつあります。
この「世直しコロナ」は不道徳の永続を許さない歴史の法則に沿ったものであると思われます。
「Go To Travel」が感染拡大をもたらすことは沖縄県の例のみ取り上げても立証されました。それにもかかわらずその中止が実現しなければその背景が問われることになります。
我が国の将来を脅かす原子力独裁も「世直しコロナ」の照準に収められつつあると思われます。脱原発は「原子力村」の終焉を伴うものとなることでしょう。
貴総理の一層の御指導をお願い申し上げます。
敬具
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