内閣府特命担当大臣(原子力防災)
原田義昭環境大臣殿

平成31年3月20日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓
昨日は世界平和女性連合の役員総会懇親パーティーで短時間ながら懇談の機会を得られて誠に光栄に存じます。

その際、東海第二原発の危険性に言及させていただきました。このたび福島事故8年を経ての所感(別添)を発信し反響を呼んでおりますが、その冒頭でもその再稼働は日本の命運を左右し得るものとして断じて認められない旨訴えました。この「世界一危険な原発」の再稼働認可を国民が許す筈がありません。
 
去る13日の原自連(原発ゼロ・自然エネルギー促進連盟)が主催した小泉元総理の講演会は1500人以上の出席者を得て大盛況でした。小泉純一郎元総理 は、福島第一原発事故を機に、超地震大国日本での原発は危険極まりないことを確信し、与野党を問わず、一刻も早く「原発ゼロ」にすべきであり、そのために は、「原発の是非一点に絞って、国政選挙に当らねばならない」と提言され、更に、「選挙では原発ゼロ候補に応援を」と述べられました。

脱原発を求める国民レベルの 大きなうねりがこの度再確認されました。この動きは必ずや原自連が目指す「原発ゼロ」法案の実現に結びつくとの確信が得られました。

フクシマ事故の教訓は忘れられ、無責任、不道徳の象徴とも言える再稼働が原発の安全に責任を取らない組織により許可される現状は深刻に憂慮されます。

貴大臣のご理解とご尽力を心からお願い申し上げます。
敬具




追伸

下記のような現状に深刻な危機感を覚えております。
経済界を含めこの点に絞って国民に繰り返し問いかけて行くことが望まれます。

 記

不道徳、無責任な現状

1.不道徳
原子力緊急事態宣言が解除されていない状況下での五輪立候補。
事故の収束と被害者救済を最優先せず東京五輪準備に明け暮れる。
"under control"及び”8月はマラソンに理想的 ”だとして全世界を欺いている東京五輪。
福島県内で一部競技を挙行する愚行。
福島の悲劇を生んだ原発にひそむ深刻な諸問題(廃棄物処理など)を放置しながらの再稼働は不道徳、無責任の象徴。

2.無責任
原発を国策として推進した国としての責任の認識の欠如。
原発の安全を保証する体制の欠如。
原発の安全の責任を負わない原子力規制委員会に再稼働を認める権限を付与。
再稼働のリスクを把握していない。(最悪の場合、国家の危機の到来)
天災超大国である日本に54基の原発を建設した巨大な過ちの放置。
国有化されている東電による再稼働に対する資金援助。
不可能な原発30基の増設を必要とするエネルギー政策の策定。



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