中国大使館における日中交流会の報告 2012年2月29日


 中国の変化の兆候についてご報告いたします。
 去る2月29日、中国大使館で大阪経済倶楽部・全国寅年会が募った日本側40余名の参加者〈久間章生元防衛大臣、東力元農水、建設政務次官をふくむ)と中国大使館との交流が行われました。

 私は全国寅年会の相談役を務めておりますので冒頭の挨拶を行いました。
 中国の湯公使参事官からは一党支配下の民主化の動きにつき資本主義の明文化、文民政治の徹底〈大臣も政治局常務委員も軍人出身者はいない)、公平と平等 の達成重視、権力行使の監視強化、腐敗対策強化、持続可能な発展志向、富の配分のタイミングに関する上海パターンと重慶パターンの対立の存在(今すぐか 更なる発展を待ってか)など日本側が驚くようなこれまでとは異なる現状説明がありました。さらに、今後の日中関係における国民間交流の重要性を強調し、日 本と中国が力を合わせ世界に貢献していくことを訴えました。

 懇親会で若い館員が、私の挨拶で言及した母性文化、母性文明、アジア的価値観に関して心からの賛同の表明があり大変嬉しく思いました。
 同館員からはその日のうちにメールが入りましたので、2010年8月のバーゼル会議での演説(こちら)も送ったところ同館員より下記のような返事がありました。予想外のことが起こり出した感があります。

 たまたま3月2日の朝日朝刊は中国国内の反原発の動きを伝えております。近隣地域、近隣諸国が反対する「牧之原市現象」です。
 希望の光を見る感があります。
 
村田光平


 
 (大使館員からのメッセージ〉

村田大使:
 スピーチを通読いたしました。2010年、福島原発事故の一年前に、原発の倫理問題を提起し、先見の明と大知恵に敬服でたまりません。
 天の摂理という倫理の原点について、中国、日本古来より多くの識者は論じて、系統だった論理を構築しました。
 そして、天の摂理をいかに地上に実現するか、アジアの倫理文明は長い歴史の中で個人、家族、国家、天下(修身、斉家、治国、平天下)の各レベルで実践し てきました。格差社会、超少子高齢化社会という目下の時代には、エリートの自励自制、大衆の自立奮闘、利益集団の調和、そして親孝行という世代間の天然の 絆、こういうアジア的価値観が今の時代にはますます重要になるのではないかと考えております。
 これから、倫理問題について、グローバルな視点、アジア地域の視点などをめぐって、大使と交流することを期待しております。
 大使のご健勝、ご活躍をお祈りいたします。


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