鳥越俊太郎先生                        
平成28年7月14日   
村田光平
(元駐スイス大使) 
拝啓
 12日の都知事選ご出馬の記者会見で福島汚染水問題が「under control」とは「大嘘」であると力強く断言されたご勇気とご覚悟に感動致しました。
 鳥越先生が司会を務められた昨年7月16日のプレスセンターでの記者会見で別添の発言をした元スイス大使の村田です。失礼の段お許し願います。

 ご参考までに重要情報をお届けいたします。
 中国外交部の陸慷報道官は6月14日の定例記者会見で、日本政府は早めに福島原発漏洩事故の本当の状況について日本国民や周辺諸国、国際社会に対する責 任ある返答をするべきだと述べた旨伝えられております。フランスのル・モンド紙も福島の現状を詳しく伝えだしております。日本では報じられません!

 諸情報を総合すれば、東京五輪返上は、日本の自浄能力によるのか、IOCによる失格判定によるのか、いずれにせよ時間の問題になったと確信いたします。
 福島と熊本のため全力投球するためという名誉ある撤退は今なお可能と思われます。

 五輪返上は英国のEUが種を植えつけた「世界の病める主流の変化」の端緒になることでしょう。 世界の主流の変化の兆候が早くも表面化し始めました。
 このほど伝えられたChristine Lagarde IMF専務理事によるギリシャを毎回オリンピックの主催国とするようにとの発言に対してはハーヴァード大卒の米国の友人(ペリー提督の末裔)から経済的理 由からではなく、五輪本来の精神に立ち戻らせる立場からの支持が早速9日寄せられました。

 特に注目されるのは、本10日付朝日新聞朝刊に掲載された「原発プロパガンダ」(岩波新書)の書評です。同書評は、電通と博報堂が福島事故までに2兆4 千億超の原発推進広告費を使いメディアも陥落した旨、また最大の問題は3・11後、一度は影をひそめた原発広告が平成13年3月頃から復活し、「放射能の 危険性は小さく、健康への悪影響はない」という「安心神話」を流布していることだと指摘しております。原発推進を支える問題の総括原価方式が今なお存続し ていることは信じがたいことです。
今週の週刊ポスト(7月28日号)は本日立候補した上杉隆氏のインタービュー記事を掲載し、その中で公約として「一番は都税の無駄遣いの象徴・東京五輪で す」、「まず現在の五輪組織委員会を一旦博し改変します。森喜朗会長も敬意を持って優待してもらいます」などの考えを伝えております。
 都知事選の争点となることは不可避と思われます。

 別添の記者会見(下記)で指摘した福島の危機的現状は、悪化こそあれ全く改善を見ておりません。このような状況下での東京五輪開催は不道徳であり、問題外であると確信いたします。
 予見される東京五輪返上の具体的可能性の近日中の表面化は日本のみならず世界を目覚めさせることになると思われます。

 ご理解とご支援をお願い申し上げます。
 都知事選での勝利を心からお祈り申し上げます。
敬具  
 


記者会見報告               
渡辺一枝

2015年7月8日、プレスセンターの日本記者クラブ会議室で、記者会見がありました。

呼びかけ人の鳥越俊太郎さんが司会としてマイクを握られ、まず挨拶されました。

そして澤地久枝さんが挨拶と経過報告をされ、出席の呼びかけ人が一言づつ発言しました。

出席者は、落合恵子さん、神田香織さん、小林節さん、村田光平さん、そして私(渡辺一枝)です。

(前略)

●村田光平さん

みなさん同様、最近の世の中の動きを見ていますと一つの絶望感に囚われてしまいます。

どんどん力ずくで、我々の恐れていることが実現しそうになっていく。

そういう中で私は、一つの言葉で自分を慰めます。

3年ほど前から「天地の摂理」という言葉を作りまして、これは哲学から見出される歴史の法則だと思います。

その歴史の法則からすれば、奢れるもの久からず、そしてすべての独裁は死滅せしめられる、そういった天地の摂理によって心を慰めています。

こうなりますとすべての自然現象も、天地の摂理の応援団になってくれるわけです。

その独裁との関係で私が一つ指摘しているのは、今の原子力独裁、何を言っても無視される原子力独裁、それと軍国主義は相通ずるものがある。

何かと言うと、恐ろしいこと、恐るべきことをしたことに対して反省をしない、そして巻き返しをする、この点で全く重なる。

けれどもその分、原子力独裁も「天地の摂理」には敵わない筈であるということで慰めています。

今日せっかくここに来たので、いま最も危機的状況について一言します。

二日ほど前に福島の現場を示すユーチューブが送られてきて、それを見ていると、止まない水蒸気が出続けているのですが、閃光が走っている。

これについて再臨界の可能性があるという立場の人がいて、私は著名な専門家に確認をしました。

専門家は再臨界ではないだろうという人と、意見は二つに分かれています。

しかし問題は、最近ある有名なインターネットでアクセス日本一と言われる方が、700人の聴衆を前に驚くべきことを言いました。

いま起きているのは再臨界であって、空中にはプルトニウムを含む中性子線、トリチウムが空中に漂っている。

これが中国、ロシアに到達し、両国首脳が立ち上がって国際管理の話を始めているという話も出てきています。

私はそういう恐ろしい情報が出てきた以上、少なくともその検証を行うことは絶対に必要だろうと思います。

それは国際専門家チームによる検証でなければならないということで、全世界にそれを伝えているところです。

4年たっても解決はしない、アンダーコントロールはとんでもないです。

全世界がそれを嘲笑している、そういう状況のもと、国際協力は原発事故が生じた場合は義務付ける制度を作るべしという提案をしています。

そうするといま問題は、国際協力をしなければ国際管理という恐ろしい方向にいってしまうだろうという危機の現状を皆さまの念頭に入れておいていただきたいと思っています。

(後略)



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