高橋はるみ北海道知事殿

平成23年8月14日
村田光平

拝啓

突然FAX信を差し上げる失礼をどうかお許し願います。
去る10日、秘書課の三浦さまを通じ細野豪志大臣宛メッセージをお届けした元スイス大使の村田です。泊原発に関し憂慮されることをお伝えいたしたく連絡を取らせていただきました。

福島原発事故の帰趨が全く見えない状況の下で旧態依然の姑息な手法で泊原発3号機の営業再開を実現しようとする電力会社には国民を欺き事故を招いた重大な 責任の自覚と反省の跡が見られません。取り沙汰たされる電事連の激しい巻き返しの動きは電力会社全体が東電と一蓮托生であることを示しております。

これまで「原子力タブー」と六角形の「原子力独裁」の罪深さは世論の前に全てさらけ出されております。福島原発事故がまるでなかったかのように進められる 今回の営業再開の動きが、住民の安全を軽視するものとして糾弾する世論の声が全国規模に広がることは必至です。仮に再開が認められても世論の力で浜岡原発 同様に運転停止を余儀なくされるものと思われます。

私が常任理事を務める地球システム・倫理学会は去る4月に同封の緊急アピールを発出いたしました。10カ国語に訳され,川勝平太静岡県知事も学会の「協賛 会員}になられるなど大きな反響を呼んでおります。力の父性文明から和の母性文明へ移行する世界的潮流が動き出しております。

福島事故は日本に想像を絶する不幸を招きつつあり、その実態についての認識が国民の間に深まるにつれ、「原子力独裁」は資金的基盤の崩壊により終焉に向わしめられることは確実です。これが天地の摂理です。
原発廃棄物の問題に象徴さられる原子力の不道徳性が世界的に反省を迫る時代が漸く到来しているのです。

今からでも遅くはありません。
貴知事のご英断を心からお願い申し上げます。
敬具

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