自由民主党
鈴木俊一総務会長殿

令和元年11月26日
   村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓
昨日は麻立会でご講演を伺い東京五輪の準備状況を伺い、後述の情報と合わせ考えて感無量を覚えましたのでご報告申し上げます。

最強の権力の最大の敵は倫理・道徳であることを痛感させる最近の内外の情勢です。悪事は必ず露見し、天罰を受けるという老子の教えが立証されつつあります。不道徳の永続を許さない歴史の法則が表面化しつつあるといえましょう。

この程、福島事故が放出した放射性物資に起因する健康被害の可能性を全く無視してきた国際オリンピック委員会(IOC)を批判する重要な動きが始まりまし た。 フランス、スイス、ドイツの有志、反原発活動家、研究者など35名と17団体の署名を集めてIOCのBACH委員長に連名の公開書簡が遂に発出されるに 至ったのです。日本で受ける可能性を否めない放射線健康被害に関し、オリンピックゲームに関係する場所について、独立系の科学者たちによる放射線量の調査 を実施させ、その結果から然るべき結論を導き出すよう要請するものです。同書簡の内容には反論の余地は有りません。

東京五輪の関係来訪者に放射能による健康被害を及ぼすようなことがあれば五輪は存立そのものが問われ、日本の国際社会における名誉ある地位は失われること は必定です。福島事故を隠して海外から4000万、5000万の観光客を誘致する日本の現状を心ある国民は恥じ入っております。

天災の激化に伴う福島の状況の悪化の可能性は最早看過できません。その対応に全力投球するために五輪返上の検討が急がれます。

貴総務会長の一層のご活躍とご健康をお祈り申し上げます。

敬具

追伸 東京の放射能汚染に関し、11月13日付東京新聞は都環境局職員の立ち会いのもと9月中旬に都立水元公園(葛飾区)の土壌を採取して放射性セシウム の濃度を調べると、29地点のうち12地点で放射性廃棄物の基準(1キロ当たり8000ベクレル)を超えたと報じております。



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