菅 義偉内閣総理大臣殿     
令和2年9月27日
村田光平
(元駐スイス大使)

拝啓

この度の総理大臣ご就任を心からお祝い申し上げます。

長年に亘りメッセージを送らせていただきましたが、その間ご指導を賜り心から感謝申し上げます。

米国の大統領選挙および中国の政情との関連で米中軍事衝突に関する懸念の深まりが看取されます。また、寄せられる諸情報からは尖閣諸島及び北海道をめぐり日中間で領土問題が将来表面化する可能性が危惧されるに至っております。

コロナ禍にあえぐ世界は、これに先立つ文明の危機に併せて対応を迫られております。倫理の欠如がその背景にあることが改めて想起されます。

潘基文前国連事務総長も賛同している国連倫理サミットは地球倫理の確立、母性文明の導入及び真の核廃絶を目指すものだけに有益な日中協力のテーマになりう ると思われます。米中衝突の回避にも貢献しうると思われます。これは国連倫理サミットの新たな意義と認め得るものであり、その早期実現が求められます。

日本にとり不可欠な中国との友好関係を危殆にさらす領土問題の紛糾は何としても未然に防ぐ必要があります。この観点からも領土保全を含むバンドン会議の平 和10原則の策定に貢献し得た中国の底力を評価して、国連倫理サミットへの協力を求めるなど、中国との友好関係の深化と拡充が強く望まれます。

貴総理のご理解とご支援を心からお願い申し上げます。

敬具



追伸 国連倫理サミットに対する米国も含む国際社会の好意的評価をまとめた資料(こちら)を添付いたします。Ban Ki-Moon 元国連事務総長及びマハティール元マレイシア首相からも当時、賛同の書簡が寄せられております。



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