福島県 危機管理部 放射線監視室 室長

酒井 広行 (さかい ひろゆき)氏からのメール
-----Original Message-----
From: 酒井 広行
Sent: Tuesday, April 25, 2017 4:03 PM

> 村田 光平 さま

> 毎回、貴重なご意見・提言、さらには福島県に対するご支援を賜り、
> 厚く感謝申し上げます。 引き続き、変わらずのご支援をよろしくお願いいたします。
> さて、新年度に入り、ご報告・メールしようと思っておりましたところ、
> 村田様よりお電話を戴き、たいへん恐縮です。
> 今年の4月からは、同じ危機管理部内ですが、原子力安全対策課から放射線監視室への
> 異動となりましたので、まずはご報告申し上げます。
> 昨日の電話でもお話いたしました1F2号機の件、福島の復興に関して少し書きたいと
> 思いますので、長文ながらご容赦ください。


> ~~~ < 最近の1F#2 と ふくしまの現状について > ~~~
>
> ○ 1F#2 問題に関して
> ・ 竹本修三先生(京大名誉教授・大飯原発京都訴訟団長)の報告文を読みました。
> 先生の論点(#2の燃料デブリの全容が把握できていない。M7クラスの地震動による
> 影響が懸念されること、炉内構造物が長期に補修されることなく放置されることに
> よるリスクが心配されること)は、どれも廃炉問題の本質を射貫くものと思います。
>
> ・ 同様の懸念は、福島県でお願いしている角山原子力対策監(元会津大学長、
> 環境創造センター所長も兼務しており、原子力プラントに精通している方)も
> 従来から指摘しているところであり、国や事業者に対して、様々な機会を捉えながら、
> 適切にかつ早急に対応すべき大きな課題であると申し上げております。
> 県としても、引き続き、国・事業者の早急な対応について要求していく考えです。
> 昨年、11/22に福島県沖で大きな地震があったので、なおさらです。
>
> ○ ふくしまの現状について
> ・ #2内部調査において、炉内線量が非常に高線量(場所によっては数百Sv/h)の
> 報道がなされておりますが、県内の受け止め方は、「極めて冷静」です。
>
> ・ そもそも、運転直後の炉内線量は燃料棒から50cm位置で数万Sv/h程度ある旨の
> 説明がなされており、今更ながら県民の中に驚く様子はありません。
> むしろ、東京をはじめ全世界に向けてセンセーショナルに報道されたことから、
> (このような高線量では、廃炉は無理、帰還は夢のまた夢)のようにあおりを
> 受けたのではないでしょうか。
>
> ・ 内部が高線量であるのは当然であり、むしろきちんと伝えるべき点は、
> そのような炉内と外側の作業エリア・発電所周辺の環境とは、バウンダリィ
> (境界)がしっかり形成され、きちんと隔離されていること、外側の線量には
> 全く影響を及ぼしていない事実をこれからも明確に示していく必要があります。
>
> ・ 大事なことは、こうした内部の過酷な環境条件があるにせよ、放射線防護、
> 遮蔽等の適切な措置を講じながら、作業の安全性を十分に確保して、廃炉作業を
> 着実に進めることです。
> 発電所内での廃炉作業を担っているのは、現実として県内出身者が約半数
> (1日あたり約6,000人が出入りしています。)を占めていることも忘れずに
> いてください。
>
> ・ 最後に5輪の話ですが、ニュース等でご存じかと思われますが、この福島の地で
> 野球・ソフトが開催されます。
> 村田様は、5輪を諸悪の根源のように断じておりますが、一方で、こちらの県民側
にとっては、明るい話題の1つであります。 中には、これを復興の起爆剤として
希望と期待に胸を膨らませている県民も多数おります。
是非とも、このことを十分にご理解のうえ、ご議論いただければと考えます。
>
> ・ 5輪、豊洲の話は、確かに日本国全体の問題とは思いますが、これを廃炉の話に
> 直接結びつけることは、いささかお門違い、無理があるかなと思います。
> 我々、県民としては、こと発電所の話に関しては、国・事業者が事故の全責任を
必ずや全うし、安全に廃炉を成し遂げていただくのみです。
>
> 長々と書きましたが、ふくしまの現状と県民の思い、期待等については、
> 以上のとおりです。 よろしくお願いいたします。
>
> ~~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~~


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「 ~ 心ひとつに 想いを ふくしまに ~ 」

  福島県 危機管理部 放射線監視室 室長

酒井 広行 (さかい ひろゆき)

〒960-8043  福島市 杉妻町 2-16
TEL   024-521-8491
      FAX   024-521-8368
(内線 5322)
E-mail: sakai_hiroyuki_01@pref.fukushima.lg.jp

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