野田佳彦内閣総理大臣殿
平成24年2月5日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓
時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
難問の山積に処され日夜のご奮闘に心から声援をお送り申し上げます。

深刻な危機意識から内外に発信を続けております。
このほど受領したマハティール元首相からの私宛書簡をその反響に鑑み改めてお送り申し上げます。
反論の余地のない卓見が述べられております。原発の推進が、人類の倫理に反することを、改めて証明してくれた書簡であると思います。地球倫理国際日の創設を含め、倫理と道徳的価値観の高揚を目指す運動に対する全面的支持が表明されております。
国連倫理サミットさらには核廃絶へ向けての強力な支援になると思われます。

「人間社会が耐え難い惨禍を蒙る可能性はゼロにすべきであるという忘れられた大原則を福島事故は世界に想起させねばならない」と指摘して参りましたが、こ れに関連して最近スイスの友人からミュンヘンの Max Planck物理学研究所の .Hans Peter Durr元所長の次の見解を教えてもらいました。
「もはや責任を取れないほど膨大な被害をもたらすような技術は算出された確率の数字がどうであれ、使用することは許されない。そのリスクが0でなければお払い箱である。」
Durr氏の友人である世界的に著名な Ernst Weizaecker教授より、先週、この見解に同意するとのコメントが寄せられております。世界が動き出すことが期待されます。

福島事故は原発事故が人類と地球に許し難い、いや許せない惨禍をもたらすものであることを全世界に思い知らせつつあります。世界の究極の破局の第一歩にもなりうるこの事故の教訓を学ぼうとしない世界の現状を天地の摂理は決して放置しないと考えます。
 
どうかよろしく ご指導、ご支援をお願い申し上げます。
貴総理の一層のご活躍、ご自愛をお祈り申し上げます。
敬具



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