2001年 年頭所感


 日本は一体どうなってしまうのでしょうか。
  チェルノブイリの大事故の後もその教訓に学ぶことなく脱原発の世界の潮流に反して、二十基以上の原発を増やし、東海村の臨界事故から学ぶこ ともなく、原 子力の推進の政策を維持し、東海再処理工場の運転の再開、「もんじゅ」の運転再開への動き、「原発立地振興法」の成立などを進める日本はどうなってしまう のでしょうか。
  その可能性がもはや否定し得ないチェルノブイリ規模の原発事故が万一日本で発生するならば、旧ソ連のように強権的に90万近くの事故処理要員を動員する体制にない日本はどうなってしまうのでしょうか。その結果は世界にどう及ぶのでしょうか。
  1か月ほど前に、欧州数カ国を訪れて強い印象を得たことは、我が道を行く日本の原子力政策に対する批判が強まりつつあるということでした。
  最近逝去された市民科学者の高木仁三郎さんは、日本国民への最後のメッセージの中で、既に看取されるに到った原子力時代の末期症状の下で 「巨大な事故や不正が原子力の世界を襲う危険」と「放射性廃棄物が垂れ流しになっていく」ことへの危惧の念を表明されております。
  これまで起こってはならない筈の数多くの原発事故が発生し、「隠蔽のみならず改ざんにより責任を回避してきた原子力産業」の実態を十分承知 しながら原子力推進を続ける日本の関係者全員に対し、高木仁三郎さんが「破局的な事故を待って思い知るのか」と叫ばれている姿が、彷彿と目に浮かびます。
  日本のため、そして世界のために皆様と一緒に真剣に対策を考えていきたいと切に願っておりますので、どうか宜しくご協力をお願い申し上げる次第です。





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