村田 光平先生

 明けましておめでとうございます。
 数々のご活躍の情報をメール頂きましてありがとうごいます。 小生も老体に鞭打って地元と共存し、福島県の復興と現場収束のため、微力ではありますが 努力したいと思います。
 新村氏のメールを興味深く読ませて頂きました。 特に新村氏が指摘しているように各省庁の中で、原発が将来の日本経済に貢献するか否かは 財務省が一番よく認識していると思います。
 廃炉やバックエントドの費用は莫大で大きな負の遺産となるでしょう。
 現在、国の借金が 1000 兆以上と言われています。 原発の負の遺産を積算して公表して欲しい。 私たちと大人は、将来の若者や子孫に「詐欺師」と言われないためにも、これ以上強い国に なる必要があるのでしょうか。実に「涙そうそう」になります。
 福島県では非効率的な復興対策が進められ国民の税金が使われています。
 私たち福島県民は国のエネルギー政策の「詐欺」に出合ったと思います。
 小生の著書で指摘したように福島第一原発の地震・津波対策は、30 年前から東電の技術ス タッフや良識ある専門家が認識していた懸案でありました。
 どうして事故まで対策が取られなかったのか?
 それは政府の原子力政策の「詐欺」であったと思います。 大きな理由は、第一原発だけその対策を実施すれば全国の原発に波及するからです。 政府はそれを恐れ、安全でないことを十分認識しながら東電にその対策を許可しなかったの です。
 今回の事故は、東電だけの責任ではないのです。 政府、電力業界、関係した学者の先生方が、国民の安全を無視した経済優先の結果だと思い ます。また、東京オリンピックに異を唱えるつもりはありませんが、原発事故に対する関心 が薄れている(FESTIVAL が好きな?)国民一人一人にも責任があると思います。

 原発には国境はない。技術先進国で起きた未曾有の原発事故、私たち国民一人一人が恥ずか しいと思わなければならないと思います。 福島県では精神的な「原発患者」が増えています。 これは、「金目」賠償金だけでは治療不可能です。 せめてエボラ熱の半分の関心をもって欲しいと思います。
 また、第一原発の現状及びその周辺の影響についての情報公開はほとんど政府の指導です。
 素直(?)になった東電に同情しています。
 また、少なくなった一定の技術のある東電や協力業者は現場で奮闘しています。
 彼らのモチベーション及び体力がいつまで続くか心配です。
 政府は真剣に現場のマンパワー対策を考えて欲しいと思います。
 新年早々このようなメールを先生に発信する事を恐縮に存じています。
 先生とご家族のご健康と幸せを心よりお祈り申し上げます。

2015年1月5日 株式会社 東北エンタープライズ 会長 名嘉 幸照



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