村田光平氏 2000〜2002年の活動
 氏の活動は、大学教授となって日本政府の関係者たることを離れた後、より活発になっているようだ。さまざまな市民団体との協力活動、国際会議への出席・開催、特に平成14年5月20に元国土庁事務次官を含む6人の連盟で発表された「浜岡原発の運転停止を求める声明」は、『日本政府が「大規模な地震が起こる可能性が高い」と認めた中部地区』に設置されている老朽原発4基の危険性を指摘したものとして注目を集めた。
その直後、浜岡原発の一基が漏水・放射能漏れ事故を起こしている。対策としては、安全性の見直し(配管の不備、あらたな溶接)といったことにとどまっている。こうした言動・事実の数々は自己矛盾に陥っており、政府・自治体の見識を疑わざるを得ない。

 加えて注目すべきことは、氏が東海学園大学教授として、多忙の中、毎週講義とゼミを行い続けていることである。日本の硬直化しがちな大学教育の中で、氏のゼミには定員をはるかに超える希望者が殺到したというが、「次世代を担う若者」への氏の熱意のほどがうかがえる逸話である。

(海外での活動)
・2000年2月18〜21日
 インドにて「タタ・エネルギー研究所25周年記念国際会議」にパネリストとして出席、講演
・2000年4月10日
 フィリピン・マニラのサン・トーマス大学で講演
・2001年2月7~9日
 インド・デリー市において「第一回 持続可能な開発」サミットにセッション議長として出席・講演
・2001年9月20~22日
 スイス・バーゼル市にて「SUN21」会議に出席、講演
・2002年2月8〜11日
 インド・デリー市にて「持続可能な開発」サミットにセッション議長として出席・講演
・2002年4月26~27日
 スイス・バーゼル市にて「国際原子力会議」(反核戦争国際医師団主催)にセッション議長として出席・講演を行う

(国内での活動)
・2000年9月19日
 東京フォーラム9月研修会にて講演
・2000年10月8日
2000年第四回尾崎行雄記念シンポジウム「日本のグランドデザインを考える−−市民参加で切り開く二十一世紀」にパネリストとして参加
・2001年2月22日
 名古屋瑞穂ロータリークラブにて「環境問題 世界の潮流」と題して講演
・2001年3月17日
 「国際MRA協会」にて講演を行う
・2001年4月2日
 東京麹町ロータリークラブにて「世代間倫理について」講演
・2001年8月9日
 東京杉並ロータリークラブにて「環境問題とエネルギー」講演
・2001年7月14
 関西学堂塾にて「新しい文明の提唱」講演
・2002年8月
 東京調布市ロータリークラブにて「岐路に立つ日本のエネルギー政策」講演
・2002年11月
 在家仏教50周年記念シンポジウムにて「環境問題と仏教」講演
・2002年11月
 静岡浜ネット「浜岡から始まる地球の非核化」講演
・自著送付−−約500冊−−歴代総理、現総理、主要閣僚、経団連会長・全副会長、電力会社9社トップ、原発立地県県知事、原子力 安全委員会委員長ほか
・原発不祥事に関連して、超党派による脱原発を訴える
意見書を各党党首に提出2002.9.30)
(テレビ出演)
・朝日ニュースター 記者の視点「脱原発と訴える『原子力と日本病』
(寄稿)
・「比較文明」17号 「新しい文明の提唱−−文明間の対話のために」
・月刊「クイヨン」2002年8月号「破局を招く原子力」
・「在家仏教」2002年8月 「知足経済学の提唱−−仏教に学ぶ」
・「在家仏教」2003年11月号「原子力のタブーを打破しよう」

★東京フォーラム会報寄稿文

理想と現実

村田光平(2002年)

 テロ集団による核兵器保有の疑惑の深まりを背景に、米国は核による先制攻撃の可能性を示唆し始めるなど、世界の現状は深刻に憂慮されます。私は、未来の世代の代表を心がけ、民事、軍事を問わない地球の非核化と現在の石油文明に取って代わる新しい文明の創設を理想に掲げて参りましたが、世界の現実はこの理想から益々遠ざかるかにみえます。しかしながら、最近、理想と現実は紙一重となったのが世界の現状だと思うに至りました。
 同時多発テロの直後、スイスのバーゼルで開催された民間の自然エネルギー促進会議で、ディヴィッド・フリーマン氏(元カーター大統領エネルギー顧問)は中東の産油国に配慮することなくテロ対策を取り得るために、石油文明から決別すべきであると強く訴えました。フリーマン氏の実利を求める立場からの主張が私の理想論と一致したことに驚きました。
 核兵器使用、原発事故、資源争奪紛争等々破局の到来が現実味を帯びだした状況を前に、実利を求めて動く世界は皮肉にも益々上述の理想の実現を必要とするに至ったと思われます。
 今こそ日本は地球の非核化と新しい文明の創設を世界に向けて訴えていく好機が到来したと確信いたします。「女性は命を守り、男性は生活を守る」と言われますが、未来の世代のために女性が益々活躍することが期待されます。男性も地球と人類の将来に思いを致し、女性と手を合わせて奮起することが切に望まれます。

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