村田光平氏の 基本思想
−−現代世界は理想を失っている。民主主義の本来の目的であるべき「最大多数の最大幸福」は忘れられ、グローバリゼーションの進展する中で「最強者の最大幸福」が追求されるに至っている。現代の物質文明はどん欲に基づくものであり、このままでは人類と地球の将来をますます脅かすものとなる。また、新たな精神中心の文明を創設するために必要とされる新しい「知足経済学」のあり方と「文明の普遍的価値」について基本的考えを提示し文明観の対話のために具体的に発信することを願うものである。−−(論文「新しい文明の提唱--文明観の対話のために」より 抜粋、以下同様)

村田氏の現在の活動につながる基本思想は、アフリカ・セネガル(後に周辺4カ国も含む)の時代に築かれたと言っていいだろう。GDP的には極貧であるはずのそうした地域の人々が「幸福に」「豊かに」暮らすのを見、ルソーの「自然に帰れ」、ペスタロッチの「より質素な生活へ戻れ」といった方向への意識付けにとって決定的な体験であった。そして、化石燃料大量消費の時代から、エコエネルギー・精神の豊かさの時代へと志向性を強めたのである。
その後、スイスに赴任。スイスがソーラーエネルギーの先進国であることを知り、氏は数多くの計画を立案、援助。既にセネガル大使時代にも、ソーラーエネルギー開発・実現に対する日本政府の資金援助を勝ち取っている。

−−20世紀はいくつもの戦争と革命を経験し、大量の殺戮を招いたのみならず、地球環境を許し難いほど破壊した罪は大きい。また、未来の世代の利益を抹殺して繁栄を築くという罪をも犯している。こうした中で、地球と人類の将来に対して深刻な不安を持つ人の数は増えつつあり、行き先を絶望し、あきらめを隠さない人も指導者層の中に散見される。
 グローバリゼーションの名の下に押し寄せつつある新たな社会はエネルギーと天然資源を際限なく消費する社会であり、利潤を最優先に考え、躊躇なく労働者を回顧する熾烈な競争社会である。手段である経済成長が目的と化し、人間の幸福追求という本来の目的が忘れられている社会の如きである。−−

以上のような理念をもって、氏は現在、特にアメリカ合衆国におけるような自由資本主義経済に警鐘をならし、「GDP経済」(単に生産・消費の量のみによって数字で図られる経済)からの脱却を唱える。数少ない選民としての「勝者」が贅沢に生き残るような社会は、民主主義、人道の見地から言って、絶対に避けなければならない。求めるものは、最大多数の最大幸福である。
以上のような基本理念から、まず、最も短期間に、最も重大な、最も長期に渡る被害を起こしうる「原子力」(民事・軍事含む)に氏は反対し、再生可能エネルギーの開発を奨励している。 

−−新しい文明のあり方として(1)物質中心から精神中心へ、(2)どん欲から小欲知足へ、(3)利己主義から連帯へ、という三つの方向性が求められることが指摘できよう。以上をふまえ本稿は「倫理と連帯に基づき、環境と未来の世代の利益を尊重する新た文明の創設」を提唱する次第である。
 新しい文明は、上述の通り経済至上主義を生んだGDP経済学に取って代わる「知足経済科学」の導入を必要とする。また「文明の普遍的価値」の設定をも必要とする。−−

この思想を実現する具体的な施策については、著書をごらん頂きたい。なんにしても困難な道程には違いないが、可能性はあると考えられる。実現困難なことから目を背け、理念を忘れて行動することは愚かなことと思う。村田氏の言動は首尾一貫しており、また言動一致である。さまざまな観点からして、本サイトの運営者、協力者は、氏の言動を支持することを表明する。

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