松井広島市長宛メッセージ

2011年8月3日

昨日、テレビで平和宣言に関して、脱原発については意見が分かれているので踏み込めないとの趣旨のご発言を拝聴いたしました。ご事情は十分理解いたしますが、失礼ながら大変失望いたしました。

福島原発事故の深刻さの実状はお送りする7月27日日の児玉龍彦教授の国会での発言の通り背筋の寒さを覚えさせるものです。この期に及んでなお生命よりも 経済的利益を優先し、原発を容認することは倫理、道徳の欠如として赦されないことを想起させることが指導的立場にあるものの責務であると信じます。
今年の平和宣言は人類が経験したことのない事故を抱え、その帰趨も予見できない状況の下、全世界の注目を集める歴史的意義を有するものと言えます。貴市長の個人的信念をにじませたものとされるよう僭越ながら心からお願い申し上げる次第です。

ご参考までに細野豪志原発担当大臣宛書簡と返書を添付させていただきます。
原子力安全・保安院が全く信頼できないことが一般に認識されるに至った現在、全ての原発の安全性が問われることになると思われます。独立の組織が設立され てもその人事を含めて信頼されるものとなるにはかなりの日時を要します。従って、来春以降全原発停止は長期間続くと思われますが、その間に原発がなくても やっていけることが明白になると思われます。

この事故の被害者の範囲は拡大する一方であり、その激しい怒りのマグマは健康被害を含め、実態が判明するにつれ厳しい責任追及に向かいだすことが予想されます。電力会社と保安院の間で責任転嫁の動きが始まった感があります。

「官僚主導国家」はその実「電力会社主導国家」でもあったことが明白となりました。いまだに反省の跡が十分見られない電力会社の見直しが地域独占を改め、 送・発電の分離を実現し、総括原価方式を改める方向で進めることが急務であることが漸く広く認識されるに至りました。これが「天地の摂理」だと信じます。
菅総理も今年の広島平和記念式典で世界に恥じないご決意を表明されるものと確信しております。

貴市長のご英断を心からお願い申し上げます。

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