松井一實広島市長殿
 
 福島原発事故の教訓(経済重視から生命重視への転換)を活かすため発信を続けている元スイス大使の村田です。
 民事、軍事を問わない核廃絶への貢献が日本の歴史的使命であると訴えております。
  福島事故収束のため全力を投入するため東京五輪の返上を訴え続けております。
 事故後5年を経て予見されていたとおり不都合な真実が一挙に表面化し出しております。
 漸く不道徳の永続を許さない天地の摂理(哲学が究明する歴史の法則)が動き出しているのを感じております。
 
 今年2月に明るみに出た文科省の別添資料(略)は2012年末の時点で放射能汚染地域は東京の一角に到達していることが示され衝撃を与えております。
 
「週刊プレイボーイ」(3月28日号)は添付(こちら)の通り首都圏の放射能汚染の実態を伝え、反響を呼んでおります。
 同21日号は女性自身(3月22日号)同様、福島の深刻な実態を伝えております。日本の良識が「隠れんぼ」を強いられている感ありです。
 そろそろ大手メディアの出番とならなければとは誰しもが考えることです。

 東京五輪への国際的批判はリオ五輪で一部出場選手による不参加意図表明等などの形を取りうるとの情報に接しております。8月6日の開会式で広島の犠牲者に黙祷を捧げることになる可能性も取り沙汰されております。
 大手メディアはご賢察の通り制約があり、国民は日本が止められず、拡大する放射能汚染のため国家の危機に直面していることを 知らされておりません。東京五輪が開催に至りえないことなど思いもよらないのです。
 
 本質的に不道徳な核、原子力ですが、核兵器の被害国が核兵器の使用の禁止を主張できない現状が嘆かれます。
 世界の現状は核惨事緊急対応タスクフォースの創設までが取り沙汰されるに至っているのです。
 
 失礼の段、お許し願います。
 
 どうかご理解とご支援を心からお願い申し上げます。

村田光平
 
追伸 このほど拙著「原子力と日本病」(2002年発行)が早大春秋会の推薦で「石橋湛山賞」にノミネートされました。



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