原子力安全委員会
斑目春樹委員長殿


平成23年8月10日

地球システム・倫理学会常任理事
村田光平
(元駐スイス日本国大使)

拝啓

初めてFAX信を差し上げる失礼をお許し願います。
緊急のお願いがあり連絡を取らせていただきました。

前任の鈴木篤之委員長及び松浦祥次郎委員長に対し長年に亘り度重ねて原子力政策の危険性に関して発信を続けておりました。その甲斐なく福島の事故が発生してしまい、非力を恥じております。

昨日、枝野幸男官房長官は記者会見で、調整運転中の北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)に関し、原子力安全委員会の判断を得た上で営業運転の再開を認める考えを示したとの報道に接し驚いております。

これが再稼動に当たることは明白です。福島の事故により安全基準の見直しが行われることになっております。貴委員会の判断に全てはかかっているわけです が、貴委員長のご判断として営業運転の再開を認め得る状況にないとの結論を出されるよう心からお願い申し上げます。事故の教訓を踏まえたこのような判断を 貴委員会がされることを国民は高く評価するものと確信いたします。

菅直人総理大臣、海江田経済産業大臣、細野原発担当大臣及び高橋北海道知事に対しても、本日、このような私見をお伝えいたしました。

貴委員長のご英断とご尽力を心からお願い申し上げます。
敬具

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