日本経団連
中西宏明会長殿

令和2年5月18日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓

市民社会と政策決定者の間の橋渡しを長年にわたり続けて来た立場からの所感をお届けいたします。

原発の安全に責任を負わないとする原子力規制委員会がそのまま存続し(!)、福島原発事故により本来終止符を打たれてしかるべきであった「核燃料サイクル政策」の中核施設の本格稼働への道を開く審議を開始したことがこのほど報じられました。
原子力政策は「独裁」に立脚することを改めて想起させます。
市民社会は無力感に襲われます。

しかし世界を一変する「世直しコロナ」が希望を与えてくれます。
原発も東京五輪も同根です。「独裁」に支えられているのです。
「世直しコロナ」は不道徳の永続を許さない歴史の法則に沿い、カジノ、リニア新幹線等々に加え、遂に地球上の独裁をも照準に収めつつあるようです。不道徳な組織が泥船化することが予見されるに至りました。
貴会長の一層の御活躍と御健康をお祈り申し上げます。      

敬具

追伸 
国際社会の良識は五輪中止を予見しております。
橋本聖子五輪・女性活躍大臣宛メッセージを別添いたします。



橋本聖子五輪・女性活躍担当大臣殿
令和2年5月18日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓

初めてメッセージをお送りする失礼をどうかお許し願います。

長年に亘り市民社会と政策決定者の間の橋渡しの活動を続けている元駐スイス大使の村田です。力の父性文明から和の母性文明への移行を訴えております。

貴大臣のご健闘に心から声援を送り申し上げます。
深刻な危機感をもって発出した安倍総理宛メッセージ(こちら)を別添お届け申し上げます。
原子力緊急事態宣言の無視に加え、新型コロナ対策の緊急事態宣言をも軽視して、いまだに延期に伴う経費負担がIOCの最大の関心事になっている現状は放置できません。

世界の良識は東京五輪が全世界に及んだ新型コロナPandemicにより開催は無理と判断しております。今秋以降の2波、3波の発生も確実視されているのです。
開催直前に中止となれば、それまでの計り知れない関係者の事前の努力、費やされる膨大な経費などが水の泡となる最悪の事態となります。中止を想定した危機管理は不可避になったと確信いたします。

貴大臣のご指導とご支援をお願い申し上げます。

敬具






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