菅 直人 内閣総理大臣殿

23年6月23日
村田光平

拝啓

時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 去る19日のオープン対話を拝見いたしました。
 貴総理は送電発電の分離に関連し電力会社の見直しの必要性に言及されましたが、賽は投げられ、ルビコン川を渡られました。テレビのワイドショーでの発言を含め,友人、知人の間で貴総理の政策を評価し応援する動きが急に高まり出しております。

 福島の悲劇を生んだ「原子力独裁」に終止符を打つことが急務であることを、ようやく世論も理解し出したと思われます。坂本龍一氏も関係する「送電線国有 化1000万全国署名運動」が7月7日を目標に始められております。世論もついに電力会社のあり方見直しに乗り出したと思われます。

 国民は現在の政局論議に辟易しております。いかなる政策が緊急に実施されるべきか、それを実施できるのは誰かを論ずるほうが重要と考えます。その意味で 私としては来る8月6日の広島平和式典で脱原発のヴィジョンと核廃絶への決意を表明して日本としての世界への責務を果たすことのできる政治家は現状では誰 かを問うべきと思います。放射能汚染の深刻な拡大を招いている福島原発事故の犠牲者に対して、そして甚大な被害を与えている世界に対して、この決意表明な くして申し開きはできないと確信いたします。

 日本をこんなに傷つけ不幸にした原因の除去 どころかその責任についての反省が見られない現状を嘆いております。 福島の悲劇を生んだ「原子力独裁」に終止符を打つことが急務の筈です。世界の目は厳しくなると思われます。 来る8月6日の広島記念式典では、上述の通り日本がその責務を果たす姿勢を世界に示すことがどうしても必要と考えております。

 検査中の運転再開の要請に対して「全く無責任」とする橋下徹大阪府知事の反論は世論に支持されております。福島の悲劇を生んだ体制の抜本的変革なくして安全の保証をできる筈がないからです。来春全原発が停止する可能性は否定しがたい状況になりました。

 世論の動きは徐々にいい方向に向かい出しております。特に、事故の責任につき 反省できない向きが各分野でお役目ご免となる方向です。天の摂理、父性・母性両文化のバランスをとり、言い換えれば天地の摂理は日本を救うために働くこと でしょう。広島式典での脱原発と民亊、軍事を問わない核廃絶への決意表明、来春までの全原発の運転停止、送発電分離、事故処理分離など電力会社のあり方の 見直しの実現などがその方向だと確信しております。

 貴総理が今や自信と覚悟を持って果たされんとしている歴史的役割に心から期待を寄せている次第です。

 貴総理の一層のご活躍とご自愛を心からお祈り申し上げます。

敬具

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