「 嘘をついたまま先に死なないで 」
           ローマ教皇の前で原発避難の高校生が証言
 
汚染された大地や森が元通りになるには、僕の寿命の何倍もの年月が必要です。
だから、そこで生きていく僕たちに、大人達は汚染も被ばくも、これから起きる可能性のある被害も、隠さずに伝える責任があると思います。嘘をついたまま、認めないまま先に死なないでほしいのです。
原発は国策です。そのため、それを維持したい政府の思惑に沿って賠償額や避難区域の線引きが決められ、被災者の間で分断が生じました。
傷ついた人同士が、互いに隣人を憎しみ合うように仕向けられてしまいました。
僕たちの苦しみはとても伝え切れません。だから、パパさま、どうか共に祈ってください。
僕たちが互いの痛みに気づき、再び隣人を愛せるように。残酷な現実であっても目を背けない勇気が与えられるように。力を持つ人達に悔い改めの勇気が与えられるように。皆でこの被害を乗り越えていけるように。
そして、僕らの未来から被ばくの恐怖をなくすため、世界中の人が動き出せるように。どうか共に祈ってください。

2019年11月25日
      鴨下全生さんの証言



HOME
inserted by FC2 system