石原慎太郎東京都知事殿

平成23年4月20日
村田光平
(元駐スイス大使)

拝啓
 突然お手紙を差し上げる失礼の段お許し願います。

 防災を最重視される貴知事に対し、原発震災が発生すれば即日東京に壊滅的被害をもたらす可能性のある浜岡原発の一日も早い運転停止を実現するためにご尽 力を頂くようお願いするために筆を取らせていただきました。反原発とは関係ありません。近づきつつある東海大地震は4つの地震が連動すればマグニチュード 9になる可能性があることを文科省の研究プロジェクトが指摘していることを4月8日付日経朝刊が報じております。

 2004年4月から私も呼びかけ全国署名が始められ、既に92万筆あまりの反対署名が集っております。京セラの稲盛名誉会長を始め梅原猛,坂本龍一各氏 等々が名を連ねている全国署名は、福島原発事故発生後、支持基盤の飛躍的拡大が見られます。このほど谷口誠元国連大使、兵藤長雄元欧亜局長(元ベルギー大 使)馬渕睦夫前防衛大学校教授(元駐ウクライナ大使)及び木村敬三日独協会副会長(元駐ドイツ大使)が賛同者として新たに加わりました。早急に100万台 に乗せるべく関係者は頑張っております。

 国際的にも重大な懸念をもって注目され始めました。最近外国のテレビ局が10社ほど御前崎市に取材に来ております。東海大地震の切迫が連日の地震で国民 により直感的に懸念されております。専門家の知見よりも市民の直感の方が正しいことが原発で立証されております。

 私が浜岡について拙著「原子力と日本病」他で警告してきたことが福島で先に起ってしまいました。中部電力の対応振りは事故前の東電と全く同じです。浜岡で日本のみならず、世界にとっての究極の破局が起ることを未然に防ぐのは私の使命と考えております。

 日本の統治能力が問われ出しております。
 貴知事のご指導とご尽力を心からお願い申し上げます。
敬具


追伸 私が理事を務める地球システム・倫理学会がこのほど発出した緊急アピールを同封させていただきます。そこに言及されている国連倫理サミットに理解を示したルース駐米大使からの私宛書簡も別添いたします。

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