重要な原発関係諸情報(2014年12月17日)


 8月に起きたベルギーの原発事故は、テロ目的だった可能性が発表されました。また、今週には、ウクライナのチェルノブイリ原発で爆破予告が行われ、厳重 な警戒態勢が敷かれ、原発がテロの対象になるということが現実化しました。さらに、ロシア政府は福島原発事故よる現在進行形の汚染水漏れについて、米国が 大きな影響を受ける可能性があるという調査結果を出しました。

◆「ベルギー、ドエルの原発事故はテロ目的の破壊行為の可能性」(12月8日 ポートフォリオ・ニュース)
http://urx2.nu/f41J
◆「チェルノブイリ原発、爆破予告で厳戒警備」(12月8日 ロシアの声)
http://urx2.nu/f41O
◆「福島原発事故、米国を脅かす主要な海流」(11月29日 ロシアの声)
http://urx2.nu/f41z

その他
 イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザ地区からロケット弾が8月9日、 イスラエル南部ネゲブ砂漠にあるディモナ原子力センターに対して発射された。ロイター通信が報じた。

「太平洋の海流のグローバルなスキームを見れば、福島の影響を一番多く蒙っているのが米国西海岸のカリフォルニアのあたりであることがわかる。海流は速く なることも遅くなることもあり、多少南にずれることも、北にずれることもあるが、それでもやはり米国の方角へとたどり着くことは間違いない。」
( http://japanese.ruvr.ru/2014_11_29/280661951/)




 重要な原発事故関連情報(後記1)をお届けいたします。日本では報じられておりません。

ベルギーの原発事故に関する12月1日付AFP電(後記2)によれば、同国では8月にも別の原発で原子炉が停止しているが、この原因については「人為的な 破壊行為」があったためとされており、また、7基のうち4基が運転停止しているとのことであり、深刻な状況と思われ、国際社会は背景を究明するべきと思わ れます。

430以上の原発の存在が世界の安全保障問題であることが改めて示されました。

他方、IPPNW(核戦争防止国際医師会議、1985年ノーベル平和賞受賞)スイス支部責任者が、福島事故処理の現状を憂慮し9月16日付「ワシントン・ ポスト紙」への私の書簡などを独訳しスイスのマスコミに配布することを決めるなど、東京五輪開催の再考をIOCに求める方向の動きがありましたのでご報告 いたします。五輪返上問題はこれ以上放置すれば関係者のモラルを問う方向に向かうものと思われます。ご賢察の通り福島原発事故処理と表裏の関係にありま す。



後記1

11月28日にウクライナのザポロジェ原発で事故が発生、続けて11月30日にはベルギーのティアンジュ原発では火災により原子炉一基が運転を停止しまし た。ウクライナでの事故のニュースを受け、欧州では株式市場ですぐに影響が現れるなど、原発の危うさを再度露呈させました。世界に多くの原発がある中、日 本に限らず、日々何らかの事故が生まれています。
一方で、脱原発へ向けた動きもあります。ドイツの電力会社の最大手エーオンは、原子力は経済的な採算がとれない、また将来性がないと見て本体から切り離 し、上場させると発表しました。また、冷戦時に多くの核実験により被害を受けたフランス領ポリネシアでは、議会がフランス政府に対して責任を問うための起 訴を準備しています。お隣韓国では各地の原発付近に住む甲状腺がん患者223人が集団提訴をするという流れが生まれています。
◆「欧州株が一時的に上げ縮小、ウクライナで原発事故との報道」(12月3日 ロイター)
◆「ベルギー原発で火災発生、原子炉運転停止」(12月1日 AFP)
◆「独最大手、原発を分離 再生可能エネルギーに特化」(12月1日 中日新聞)
◆「韓国の原発付近住民、甲状腺がん患者223人が集団提訴―中国メディア」(11月28日 新華社)


後記2

【12月1日 AFP】ベルギー東部のティアンジュ(Tihange)原子力発電所で11月30日に火災が発生し、原子炉1基が運転を停止した。同国メディアが報じた。同国で稼働が停止している原子炉はこれで4基目となった。

リエージュ(Liege)近郊にある原子力発電所のこの原子炉は、フランスのエネルギー大手GDFスエズ(GDF Suez)傘下のベルギー電力大手エレクトラベル(Electrabel)が運用する
原子炉7基のうちの1つだ。
同発電所に隣接する都市ユイ(Huy)のアレクシス・フーショー(Alexis Housiaux)市長によると、今回の火災は「原子炉の区域外で発生した」という。

エレクトラベルは、ティアンジュ原発で発生した今回の火災は正午頃に鎮火したと発表。これまでのところ「原発の安全性および原発職員と近隣住民の安全性へ の影響は全くない」としている。予備調査では「人為的な破壊行為」の可能性も排除され、火災は「技術的な原因」で発生したとの結論が下された。同国では8 月、別の原発で原子炉が停止しているが、この原因については「人為的な破壊行為」あったためとされている。

アントワープ(Antwerp)とティアンジュにある別の原子炉2基も3月以降稼働を停止している。原子炉容器に微小なひびが発見されたためだ。この2基は2012年6月~2013年6月の1年間にも稼働を停止していた。
ベルギーは電力の約55%を原子力発電に依存している。




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