立憲民主党
枝野幸男代表殿
      
平成30年12月12日
村田光平
(元駐スイス大使)

拝啓
ご健勝のことと拝察いたします。

国際社会が重大な関心を寄せる福島の汚染水問題に関して地下ダム建設による対策を取るよう訴える安倍総理宛メッセージ(下記)をお届けいたします。
 
2011年の福島原発事故発生直後、現場の山側から毎日海に流出する1000トンの地下水を原発の敷地を迂回させて海に流出させる対策が、一旦は政府の了 承を取り付けたにもかかわらず1000億円に及ぶ経費を要することから株主総会を控えた東電がこれを断念した経緯があることが汚染水問題を招いた原因とし て大いに悔やまれております。

この程この対策に関係した江口 工氏(前鉱研工業社長)にお会いした際、同氏から今なおこの対策の実施は技術的に可能であることが確認されました。
 
本件の重要性と緊急性に鑑み、貴代表の格段のご理解とご支援をお願い申し上げます。

敬具


安倍晋三内閣総理大臣殿
平成30年12月6日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓

時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 

国際社会が地球環境保護の見地から重大な関心を寄せている福島汚染水問題への対応につき、改めて傑出した専門家(小出裕章氏を含む)の最近の見解をご報告申し上げます。

2016年1月30日、早稲田大学春秋会で地下開発の権威である江口 工博士の講演を伺い、地下水の放射能汚染は首都圏まで及ぶ可能性を孕むものとして汚染水処理こそ最優先で緊急に取り組むべきとの訴えに心から共鳴を覚えました。
国際社会が求めている事故対応への全力投球の姿勢を示す第一弾になることを心から願い、同年2月5日付メッセージにて菅官房長官に格段のご配慮をお願いし、この旨貴総理に秘書官を通じ報告申し上げた経緯があります。

ご高承の通り福島第一の溶解核燃料が地下でどのような状態にあるのかは誰も分かっておりません。今なお建屋内はロボットすら思うように活用できない状態に あります。水素爆発、水蒸気爆発、再臨界などの可能性につき誰も確たることを言えないのが現状です。「天災超大国」、日本が直面するのは国家の危機です。 福島事故後7年を経ても強引に進められている原発の再稼働は、これが電力会社の危機として取り扱われていることを立証するものとみなされております。誠に 由々しき問題です。地下水が溶解核燃料に接触することを防ぐこと、それが何よりの汚染水対策です。
この際、江口 工博士が具体的に提案されているセメントミルク注入工法により、地下ダムを設置して福島第一の山側から海に流入している1000トンの海水を迂回させて海に流すことを一日も早く実現することを、心ある専門家は一様に強く求めております。

貴総理の格段のご理解とご尽力を心からお願い申し上げます。

敬具  



 

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