安倍晋三内閣総理大臣殿
令和2年4月10日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓

この度の緊急事態宣言は所期の成果を上げなかったことが判明する状況下で、新型コロナ感染爆発が遂に深刻に憂慮されるに至りました。
ニューヨークの惨状が想起され慄然と致します。

日本の対応で指摘される深刻な問題は、検査数の異常な少なさと諸外国にみられる有事、戦時の危機意識が欠如していることです。ニューヨークのクオモ州知事の懸命な警告をより深刻に受け止めるべきでした。

本来、新型コロナの教訓は経済重視から生命重視への移行の筈です。
国民に対する自粛要請は補償を伴うべきものであることは当然です。
今回の緊急事態宣言が日本全域を対象とすべきことも論を待ちません。

直面する国難を乗り越えるためには不要不急の予算の使途見直しを含め総力を結集して行くことが求められます。特に、一部財務省関係者も支持すると伝えられる東北大震災の例に倣った復興国債の活用につき格段のご配慮をお願い申し上げます。

一層のご健闘とご健康をお祈り申し上げます。

敬具


 
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