安倍晋三内閣総理大臣殿
令和2年3月3日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓
時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
新型コロナウィルス対策で全力投球されている貴総理に、心から声援をお送り申し上げます。

「羽田空港増便問題を考える会」の共同代表の岩井京子さんから、下記の緊急メッセージ(抜粋)がこのほど寄せられました。

「羽田空港離発着のルートが住民の不安をよそに進められ、3月末に運用が始まります。これまで危険だから決して飛ばしてこなかった川崎方面への離陸も1時 間に20便飛ばすなど、正気の沙汰とは思えない飛ばし方が始まることについて、どうしたら住民の声を大きくして国に訴える力となれるか、その方法について 村田様のアドバイスを聞かせていただきたいと存じます。
都心を低空で着陸させるというのも愚かなことですが、川崎の石油コンビナート上空をわざわざ離陸させることは他のどのルートよりも危険なことです。ルート 近くには可燃性のガスや石油系の液体を扱う工場が多く、一度飛行機からの落下物によって引火したらもう止められない、東京湾が火の海になると聞きました。 その上に東芝の原子力研究所もあるのです。
今までは、国と川崎市が取り交わした覚書があって、上空を飛ばさないことになっていました。それを今回は反故にしたわけです。」

ご賢察の通り、本件は上述の深刻なリスクに鑑みれば、首都のみならず日本全体にかかわる重大案件です。
本件増便は東京五輪対策の一環として案出されたものと指摘されておりますが、新型コロナウィルス問題がもたらしつつある世界的規模の深刻な影響を踏まえた再検討がまさに求められようとしております。

貴総理のご指導とご尽力をお願い申し上げます。           
敬具

追伸 2015年7月26日に日本の調布飛行場を離陸した直後のパイパー PA-46が、我が家からわずか数百メートルの東京都調布市富士見町の住宅地に墜落した航空事故とその際受けた衝撃が想起されます。



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