安倍晋三内閣総理大臣殿
2019年6月5日
                             村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓
ご健勝のことと拝察いたします。

鳩山友紀夫元総理は6月1日のツイッターで原発事故と癌の関連性を否定する福島県の中間報告を批判されました。
「福島県の子どもたちは他県の子どもたちと比較して、圧倒的に甲状腺がんの発生確率が高い。明らかに原発事故による放射線被ばくによるものである。にもか かわらず、線量が高いと癌が増えるとは限らないと、福島県は原発事故とがんの関連性を否定する中間報告をまとめたという。科学者の忖度極まれり」 (@hatoyamayukio · 1 juin )
 
 国民にとり最も理解しやすい論議はこの事例のように背景の不純な動機に焦点を当てるものです。フクシマ事故後の再稼働が不道徳・無責任で罪深いものであることは本来多言を要しない筈です。経済重視、生命軽視は明白です。
プラスチックのゴミ問題が世界的に深刻化しておりますが、当初から予見された結末です。未だにその生産禁止の動きが見られないのは、廃棄物の処理が不可能な放射能の生産禁止が現実化していないことと軌を一にするものです。
 
不道徳の永続を許さない歴史の法則は天地の摂理と言い換えられますが、これは明治新政府の基本方針である五箇条の御誓文の「天地の公道」」に通じるものであることに気が付き意を強くしております。

5月10日、韓国・霊光原発がメルトダウン寸前に立ち至った重大事故は、脱原発が日本のみならず世界の440基余の原発に関わるべきものであることを想起させるものでした。民事、軍事を問わない核廃絶という日本の歴史的使命はより現実の課題として想起されました。

貴総理の格段のご指導とご尽力をお願い申し上げます。
敬具
 


HOME
inserted by FC2 system