安倍晋三内閣総理大臣殿
平成29年1月31日
村田光平
(元駐スイス大使)
拝啓

 日本が直面する福島関連の深刻な課題につきご報告申し上げます。

 1月30日、大きく報じられた福島2号機デブリの問題はロイターが取り上げるなど世界の関心を集めだしております。
https://twitter.com/reuters_co_jp/status/825924531692806145

 東電は2号機からの燃料棒の取り出しを早くて2021年から始めると報じられておりますが、2号機建屋を崩壊しかねない震度7クラスの地震の発生は避け られないとの竹本京大名誉教授の見解を踏まえれば、この危機的状況に対応するために緊急に国際協力を具体化することの必要性は明白です。海外の要人から 「想像を上回る事態の深刻さに仰天した。責任者の怠慢と世論操作が指摘できよう」とのメッセージが寄せられております。

 竹本修三京大名誉教授よりこのほど出来上がったホームページが送られてまいりましたが、同名誉教授は建屋が崩壊すれば東京も住めなくなり、東京五輪は全く問題外となると指摘しております。
http://www.eonet.ne.jp/~takemoto-home/

 入口紀男熊本大学名誉教授は、上記2号機デブリに関連しフェイスブックで次のような由々しい内容の指摘をしておリます。
https://www.facebook.com/norio.iriguchi?fref=ts

──技術的に無理ならば、社会的に判断して石棺でおおうしかない。

「日本に立ちはだかる困難を想像すらできません」ウィリアム・オースチン(元米スリーマイル原発事故デブリ取出責任者)
「デブリをどう処分し、廃炉をどのように終わらせるのか、いつか決めなければなりません。あなたたち日本人が社会的な判断を下さなければならない日がやってくるのです」レイク・バレット(元米原子力規制委員)
(以上NHKスペシャル2014年4月20日)

「原子炉の下を掘ってコンクリートを流し込み。上部を囲むには100兆円はかかりますが、やらなければなりません」クリス・バズビー(欧州放射線リスク委員会)
「100万年の活火山となる」入口紀男
(以上http://www.geocities.jp/flowercities/amaterasu/100mys.html
──

 福島事故処理を抱えた日本の現状と将来にはこのように潜在的危険、計りしれない試練が待ちうけております。

 貴総理のご指導とご尽力を心からお願い申し上げます。
敬具

追伸 竹本修三名誉教授より本31日下記の見解が寄せられました。

「1、3号機がどのような状況になっているかは東電から何も発表されておりません。現場に近づけないという理由のようですが、このような後世に禍根を残す 重大事故の事後処理の発表を一私企業体である東電にだけ任せておくのはおかしいと思います。国が前面に出て、国民に情報を公開し、廃炉への道筋も国の責任 で明らかにしなければならないと考えます。」




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