10月14、15日に早稲田大学でフランスのLimoge 大学と共催で開催される国際シンポジウム“Legal-medical  Aspects of Nuclear Disaster and HumanRights”での村田光平氏の総括発言の要旨


 福島事故は原発の存在自体が安全保障問題である事が示された。これにより世界に存在する440余りの原発の国際安全管理の強化が求められることになる。また、各国の原子力政策及びその実施体制についても国際的監視が必要とされる。
 福島は世界の安全保障問題である。事故現場は制御されておらず、事故後3年半以上を経て、一国では解決できないことが示されたといえる。新たに設置され た原子力規制委員会は独立性を確保するための対策を無視するに至り、事故の原因の解明をまたず再稼働を認め、世論により失格とみなされるに至っている。福 島第一での困難な作業員確保に深刻な影響を与える東京オリンピックの開催は、事故収束に最大限の努力を傾注していないことの傍証とみられている。現在の事 故処理の体制にはこのように重大な欠陥があり、強力な国際協力によりこれを抜本的に改革することが緊急課題となっている。
 地球倫理を守るため、事故処理に最大限の対応をする義務を各国政府に課し、一国では解決できない事故処理に対処する国際協力の具体化を義務とする新たな国際的システムの構築が不可欠になったといえよう。



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